錦風俗街訪問記
名古屋最大の歓楽街といえば、錦三丁目といえるだろう。
錦三丁目は通称錦三(きんさん)といって、栄地区の北側に位置する。テレビ塔もこの領域にある。
錦三は夜になれば、クラブなどのネオン看板が、不夜城のように輝いている。
その数は栄三丁目を遙かに凌駕している。
私は今回の取材で、夜の錦三を歩き、改めて錦三こそ名古屋最大の歓楽街だと実感した。
私としては、夜の錦三を歩くのは、約二十数年ぶりだ。
そのときは栄で職場の忘年会があり、そのあと同僚と錦三を歩いたのだが、華やかなネオンがたくさん輝いており、人通りの多さにも驚いたことがある。
バブル景気絶頂期のころだ。
今回は以前歩いたときに比べると、人通りはやや少なかった。
製造業が多い名古屋地区は、アベノミクスの恩恵を受け、経済状況はやや持ち直していると聞いているが、それでもバブルのときに比べ、歓楽街の人出が落ちているのだろう。
早く景気がよくなってほしいものである。
錦三といえば、私のイメージではクラブやバーなどの酒場が主体で、ファッションヘルスなどは少ないと思っていたのだが、取材に先立って調べてみると、非常にたくさんの店舗があった。
30店近くはあるだろうか。
飲み屋が入ったビルと、ファッションヘルスなどのビルは、ある程度棲み分けができているようで、どちらかといえば酒場は街の南側、ヘルス店は北側に多かった。
もちろんこれは厳密な区分ではなく、ヘルスの店舗の近くにも、酒場はたくさんあるが。
錦三も北の方に行けば、丸の内に続くビジネス街の様相を呈してくる。
町名としては錦二丁目となるが、南北に長者町通が通っている。
かつては日本有数の繊維問屋街だったのだが、今は繊維の街としての賑わいは、高度成長期で、繊維産業が盛んだったころと比べれば、かなり落ち込んでいる。
だが、しゃれたインテリアの店やカフェなどもあり、現在、長者町界隈のまちづくり構想も動き始めているそうだ。
このあたりは、長者町、茶屋町、蒲焼町、呉服町、京町、両替町など、情緒あふれる町名だったのが、町名変更で、栄、錦、丸の内といった味気ないものになってしまった。
今、名古屋の地に、由緒ある町名を復活させようという運動もある。
栄三丁目は商業施設も多く、"昼の街"という面が強いが、錦三はまさに"ネオンの街"であろう。